コラム│浜松市 動物病院(犬猫専門の病院) 犬の眼科 澤柳犬猫病院

053-443-0209

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コラムColumn

無麻酔での歯石除去は動物に優しいというのは、ウソ?ホント?

こんにちは。
 
浜松市 の 動物病院「澤柳犬猫病院」です。
 
 

わんちゃんの歯石取りをする時、無麻酔で行っている動物病院やトリミングサロンなどの施設があります。
 
「麻酔なしの方が動物の身体に優しい」と勧められると、多くの飼い主さんがそれは「愛犬にとっていいこと」という印象をもってしまいまいがちです。
 
しかしながら、無麻酔の歯石取りについては「危険」として、日本獣医学会やアメリカ獣医歯科学会も警鐘を鳴らしています。
 
今回は、無麻酔で行う歯石除去がどうして危ないのか、具体的にお伝えします。
 
 

飼い主さんは、歯石除去の治療を受けたことはありますか?

飼い主さんは人間なので、歯医者さんが何をするところが知っていると思いますが、恐怖心は全くないですか?
 
もし、怖くない、我慢できるとしたら、それは「身体に良い施術を受けられると知っているから」「歯科医院では国家資格を持った専門家が、治療をおこなってくれるから」「万が一、命の危険にさらされるようなことがあっても、周りの医療従事者が助けてくれるはず…」など、人間としての知識があるからこそ、歯医者さんの診察台でおとなしくしていられるのではないでしょうか?
 
人間の場合は、国家資格や歯科医院という空間に信頼をおいていますが、犬はそうはいきません。
 
しかも、わんちゃんの歯石除去については、法律の規制などがないため特に獣医師の資格や歯科の知識がなくても行えます。施術中に何か起こっても、獣医師が近くにいないというケースもあるのです。そんな状況ですから、飼い主さんが施術を受ける病院や施設をしっかりと見極める必要があります。
 
 

施術が怖い、痛い、沁みる…心身のストレスになります

当院は、獣医師が人医の歯科医師の指導をうけたうえで、わんちゃんの歯の歯石除去を行っています。安全を期して、麻酔を使用しての治療です。
 
もし、麻酔をせずに、わんちゃんの歯石除去を行うとどうなるでしょうか?
 
歯石が歯についている状態であれば、歯ぐきに多少の炎症が起こっていることが考えられます。そうなると、ちょっとした刺激でも沁みる、痛む、という違和感が出る可能性があります。
 
人間は「痛いです」「沁みます」と助けを求められますが、自分が何をされているかわからないわんちゃんにとっては恐怖でしかありません。命の危険を感じ、多大なストレスを覚えることでしょう。
 
 

ケガをするかもしれない…無麻酔の歯石除去はハイリスク

獣医師・獣医歯科学の専門家からは、「無麻酔の治療は、動物に肉体的にも精神的にも苦痛を強いる」と指摘されています。
 
歯石除去では、スケーラーのような金属製の尖った道具を口内に入れます。歯はすべりやすいので、わんちゃんが暴れなくても少し動いただけでも手元が狂うことがあります。
 
動かないよう、わんちゃんの頭やのどを強く押さえつけることも窒息などのリスクがある行為です。
 
また、実際に歯周病の治療効果が得られるほど、きちんと歯石を取り去るためには、歯の表面をスケーラーでいじったくらいでは難しく、歯と歯ぐきの間の歯周ポケットにたまった歯石をキレイにする必要があります。無麻酔でそんなところの歯石取りをされて、わんちゃんがおとなしくジッとしていられるはずはありません。
 
きちんと「治療」としての意味を成す歯石除去を行うのであれば、無麻酔ではかなり危険を伴う行為といえます。
 
 
「無麻酔での歯石除去は動物に優しいというのはウソ?ホント?」の答えですが、嘘か本当かというよりも、「動物に優しい行為とはいえない」というのが答えです。ただし、わんちゃんが小さかったり、高齢だったりすると、麻酔に少なからずリスクがあることも間違いではありません。
 
とはいえ、「虫歯や歯周病菌のかたまり」といえる歯石。わんちゃんが病気にならないように予防のためにも、定期的に歯石除去を行うことが大切です。
 
 
澤柳犬猫病院では、歯科医の協力をうけ、麻酔処置を施した上で、わんちゃんの歯石除去を行っています。わんちゃんの歯石除去について、詳しく話を聞きたい、という方はお気軽にご相談ください。お待ちしています。